私たちの生活を取り巻く情報環境は、ハード、ソフト両面で大きく変革を遂げてきております。昔は想像の世界でしかなかったいろいろな事柄が、IT関連技術の発展で現実のものとなる時代です。情報に囲まれて日々生活している私たちが、良好な生活環境を維持していくためには、自然科学分野のみならず、人文・社会科学分野を含めた、情報科学に関する幅広い分野での研究の推進を図っていくことが必要であると確信しております。
このような趣旨のもとに、平成8年3月25日に情報科学に関する研究の助成を目的とする財団、栢森情報科学振興財団が発足いたしました。以来、当財団も29年目に入り、助成総件数は796件に達し、助成金額は6億6,245万円となりました。大学、大学院や情報科学関連の機関など全国から多くの方々に当財団の研究助成及びフォーラム・シンポジウム等の開催助成に応募いただいております。
今後とも情報科学の発展に寄与できますよう、財団の事業をすすめてまいる所存でございます。
財団が資金を提供することで何かが生まれるというのではなく、研究している一人でも多くの人が、研究に情熱を燃やして取り組める環境を提供したい。それに私たちが協力できればと考えております。助成への応募の資格を特に限定しないこと、貴重な時間を少しでも研究に向けていただくために煩雑な手数を省くことなど、できるだけ規制を設けず、門戸を開放しております。私としては本当に気軽に申請できるような財団であって良いと思っています。
皆さまには、こうした当財団の趣旨をおくみ取りいただき、学術、ひいては社会の発展のためにお役立てくだされば幸いでございます。
今年度も、ご応募を心からお待ちしております。