■第10回Kフォーラム

「情報科学技術と社会の創造」
開催日:平成22年8月5日(木)〜7日(土)
会場:ホテルアソシア高山リゾート


《 開催趣旨 》
Web3.0というと、Webに象徴されるネットワーク社会は第3世代に入ったと見てよいのでしょうか。おそらく今も、無限とも想像されるノード群が自己増殖をしながら、ノードそれぞれの欲求に応じて変幻自在に相互関係を作り続けていることでしょう。この様態はコンピュータネットワークに支えられた現代社会が持つ関係構造のダイナミズムの現われであるとともに、微分化され、断片化された言説と映像を多元的に紡ぎ合わせて生きてゆく人々の、時代固有の思考活動パターンをも表していると思われます。これこそまさに、情報科学技術がその招来に大きく寄与した不可逆な歴史的事実でありますが、この不可逆は成長なのか転化なのか、それとも進化なのかの疑問が生まれます。それは、このグローバル化してやまない社会はどのようなシステムなのか、あるいは、どのようなシステムになり得るのかを理解したいからです。  情報社会ではさきに生まれた情報が事実を誘導します。それゆえ情報指向のデザインが社会の構造と内容を決定づけます。そして技術と社会の関係は、技術で推移した社会がまた新たな技術を要請するという意味で再帰的です。一体、この再帰構造はなにをもたらすのでしょうか。今後の社会の推移に対する情報科学技術の関与は悉く新しい社会の創造につながることが強く期待されます。



プログラム
(敬称略)
8月5日(木)
〔1〕はじめに−フォーラムへのひと言
1 14:15
世話人代表 福村 晃夫(名古屋大学・中京大学 名誉教授)
〔2〕生命・生活と情報技術
2 14:25
1:知識循環社会のシステムデザイン
「情報科学技術と知識社会創造」
渡邉 豊英(名古屋大学大学院情報科学研究科社会システム情報学専攻 教授)
3

15:25

2:地域社会と情報技術
「社会活動におけるデータベースメディアの活用」
安田 孝美(名古屋大学大学院情報科学研究科 教授)
 

16:25

休 憩
4

16:40

3:知的支援と情報技術
「知的活動支援システムの評価方法」
小尻 智子(名古屋大学大学院情報科学研究科 助教)
 

17:40

討 論
  18:30 夕食後、適時談話会

8月6日(金)
〔2〕生命・生活と情報技術(つづき)
5 9:00
4:医療・介護・福祉と情報技術
「在宅医療介護における地域見守りサポートセンター構想」
岩田 彰(名古屋工業大学大学院工学研究科おもひ領域 教授)
6 10:00 5:「情報科学は現代科学技術へ真に貢献するか?」
大和田 勇人(東京理科大学理工学部経営工学科 教授)
7 11:00 6:「福祉現場でのコミュニケーションロボットの実証研究とニーズ調査」
木村 憲次(株式会社ビジネスデザイン研究所 代表取締役社長)
  12:00 討 論
  12:30 昼 食
〔3〕法関連情報の技術
8 13:30
1:「法的推論と法律エキスパートシステム」
櫻井 成一朗(明治学院大学法科大学院 教授)
9 14:30 2:「法令外国語訳支援と情報技術」
外山 勝彦(名古屋大学大学院情報科学研究科 准教授)
  15:30 休 憩
〔4〕ネットワーク社会の新局面と情報技術
10 15:40 1:セキュリティ
「監視カメラにおけるプライバシ問題」
美濃 導彦(京都大学学術情報メディアセンター 教授)
11 16:40 2:インテリジェンス
「「日本の展望」と情報学ロードマップ −GRIDからKnowledge GRIDへ−」
村岡 洋一(早稲田大学理工学術院 教授)
 

18:00

夕食後、適時談話会

8月7日(土)
〔5〕文化の創造・伝承と情報技術
12 9:00
1:「地域ウエブサイトとソーシャルメディア」
横井 茂樹(名古屋大学大学院情報科学研究科 教授)
13 10:00
2:「情報メディアから知識メディア、さらにはミームメディアへ
    ―知識の共創メディアを目指して―」
田中 譲(北海道大学大学院情報科学研究科 教授)
  11:30

昼食後・解散