人工知能における常識の構築は、CycやWordNetに代表されるような、一種の概念体系の構築として盛んに行われているが、これらは全て言語レベルで表現できる常識を対象としている。人間は、こつやジェスチャーをはじめとして社会的プロトコルや文化の伝承にいたるまで、非言語(ノンバーバル)の常識を共有し活用している。このような非言語の常識の一部は暗黙知ともよばれ、形式化することが困難であるとされている。しかし、今後、ロボットが人間と共生していくことが期待される将来において、非言語レベルの常識を計算機が処理して活用できるように体系化しなければ、ロボットは真に人間社会に共生して活躍することは不可能である。
本フォーラムは、非言語レベルの常識の形成、分析、体系化等に携わる種々の分野の研究者があい集い、それぞれの分野の最前線の研究動向を披露して意見、知見を交換することにより、研究推進の一助とすることを目的とする。